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1927年当時のサイレントからトーキーに変わる頃のハリウッドを舞台にフランス人監督がこの作品自体を白黒サイレントにした洒落っ気いっぱいのフランス映画。驚いたのは全編サイレントであってこれほどの表現力、どうしても必要なセリフだけは字幕であくまで観る人の想像で作品を仕上げていくといった手法は日本の俳句に似たところがあって非常に興味深く拝見しました。当時の映画関係者のご苦労を思いますと最近のC Gや3Dの見せすぎの映画界に一石を投じた作品といえるでしょう。主役のジャン・デュシャルダンはクラークゲーブルを彷彿とさせるいい男(当時の役者はこんなタイプが多かった)、相手役ベレニス・ベジョとの古典的な男女の出会いにも逆に新鮮さを感じます。役者としては無名の彼女を魅力たっぷりに撮っているのは監督の奥様だからでしょうか?それからあの犬はなんと良く出来た犬でしょう、助演動物賞があれば間違いなしに彼でしょう。
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投稿者:詩耕

戦火の馬

スピルバーグ作品はほとんど観ているが、ここ最近は残念だが少々期待はずれが続いていた。監督自身の年齢や複数の作品に関わる多忙さが原因と思われるが、本作品は監督の本領発揮、スピルバーグマジックを十分堪能出来ました。題名の通り、馬のジョーイが主役であるがこの馬に国籍、年齢、職業の異なる人達が次々と関わり物語を構成している、全体に流れているのは戦争への憎悪と反戦の意思表示これは「シンドラーのリスト」で強烈に訴えたが、今回はまた違った味付けとなっている。第一次大戦時100年前の英仏の風景、当時の兵器や作戦にはずいぶん牧歌的なムードも漂うが、それでも戦争は非情で惨い、馬の眼を通してみせる人間の愚かさ、無能、無力さが心に刺さります。またどのシーンも実写にこだわる監督のこの作品に対する力の入れようが感じられます、ラストの主人公のアルバートがジョーイにまたがり帰郷するシーンはあの「風と共に去りぬ」を彷彿とさせます、2時間半におよぶ大作だがけっして長くは感じられません、どのカットをとっても完璧の出来「jews」「ET」に並ぶ彼の代表作に成るでありましょう、これは必見!
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投稿者:詩耕

ドラゴンタトゥーの女

この映画はなんといっても主演女優のルーニーマーラーの存在感だろう。少年の様であり女であり子供であったり探偵であったりまた犯罪者の様でもあり謎の多いヒロインを完璧に演じている、物語のテンポが速くて字幕ではついていけない場面もあったが彼女が画面に出てくるだけでしまる、相手役のダニエルクレイグも適役、ファションもかっこいい北欧の街並によく溶け込んでいる。古い写真をパソコンで処理し何度も見せる手法も斬新、最後にそれを動かして謎解きに使う所も良くできている。おそらく今年のアカデミー賞の候補のあがってくるだろう。主演女優賞も有りかもしれない。
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投稿者:詩耕

しあわせのパン

まるで質のいい絵本を見ているような映画、北海道月浦の自然、いろいろなパンやお料理、登場人物の表情にいたるまであくまでシンプルで嫌味のない画像、セリフも要らぬ言葉を極力省き主演の原田知世も前半は笑顔のみ、それが逆に作品の質を高めているように思えます。同じ女性監督の「かもめ食堂」と似た部分もあるが私にはこちらのほうが分かりやすくてよっかた、大泉洋と原田知世の夫婦も適役でした他の役者ではこうはいかなかったでしょう。ぜひ出演者とセットは同じでゲストと内容を変えて続編を作ってほしいものです。見終わった後なんともほっこりした気分になり、行きつけのパン屋で焼きたてのパンをたくさん買って帰りました。
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投稿者:詩耕

ヒミズ ロボジー

「ヒミズ」園子温監督の相当な無茶であろうと想像させられる演技指導や注文を、主役の染谷と二階堂の若さがそれを受け止め素晴らしい映画に仕上がった。撮影中に東日本大震災が発生し急遽被災地の場面を入れシナリオにも手を入れたらしいが、そんな事は微塵も感じさせない完成度、被災された方には過酷な映像や表現、セリフがあり眉をひそめる場面もあったが、ラストの二階堂が頑張れを連呼するシーンがそのすべてを飲み込む‘頑張れ日本‘この映画はそんなエネルギーに満ち溢れている。「ロボジー」は「ヒミズ」とは正反対の作品、二足歩行ロボットの中にひょんな経緯から70歳を超えたおじいさんが入るという、話だけ聞くと単なるドタバタコメディーになる所を、現代社会が抱えている高齢者問題、親子関係、マスコミやメーカーの開発競争等を矢口監督独特の社会風刺とゆるいユーモアで上質で知的な笑いを誘う、ラスト10分の急展開も無理がなく爽やかな感動を覚えます。エンドの老人の複雑な笑顔にこの物語のすべてを凝縮させているのも洒落ている。2作品ともジャンルは違えど映画の奥深さを堪能させてくれます、ぜひ映画館でご覧になって下さい。
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投稿者:詩耕
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