207系900番代:常磐緩行線
常磐緩行線を語る上で欠かすことができない存在であった207系900番代。
国鉄最末期の昭和61年に製造された国鉄初となるVVVFの新製車で、203系との性能比較を兼ねて常磐緩行線・千代田線用として1編成のみ導入されたレア車両です。
不足編成の補充を兼ねた導入の中で、当初から若干の問題を抱え、さらに製造コストが高かったことから実用化されないまま試作編成の900番代1編成のみで製造を終了してしまいました。
JRになってから西日本に207系が導入されましたが、こちらは全くの別物。900番代のみで終わってしまった国鉄207系は、JR西日本から見たときに空き形式と認識されてしまったのでしょうか?

平成20年4月12日 金町駅にて
それまで撮影したことがなかった207系900番代。置換の話が出て本気で狙いに行って捕獲しました。
当時は運用サイトなど知る由もなく、偶然に頼るしかありませんでしたが、比較的に労せずキャッチできたものです。行先もレアな柏行き!

平成20年4月12日 新松戸駅にて
柏行きの下りがキャッチできたので、上りも直ぐに帰って来ると踏んで新松戸まで迎撃に行きました。
これで一応満足してしまったか、この後は撮影機会に恵まれず。
約1年半後、早くも引退を迎えてしまいます。

平成21年12月5日(以下、同日) 松戸車両センターからの出庫
最終運転は団体列車としてしたてた「ありがとう207系900番代」。
レアな「団体」表示は見易い字幕。
それにしても、貫通扉が無かったら埼京線205系そのものといった印象です。
出区した207系900番代はゆっくりと松戸駅へ向かいますが、手前の線路でカブられているうちにかなり遠くまで行ってしまいました。

北松戸〜松戸間にて
撮影場所を良く知らないうえ、折り返しまでそれほど時間もなかったので、松戸駅の反対方向へ。行き着いた先は駅にほど近いお寺の駐車場でした。
撮影アングルを選んでいたら、ちょうどご住職が顔を出されて話しかけられました。事情を説明すると快く場所を貸してくださり、安心して撮影することができました。
まあ、結局はまたバックをカブられてしまいましたけど。
1編成しかないにもかかわらず、予期せず3回くらいは乗車の機会があった縁ある車両。
しかし、写真に収めることができたのは都合2回のみであり、ちょっと心残りがありましたが、比較的に枚数を残せて良かったと思います。
今やコスト計算を先に検討することが当たり前となった世の中ですから、このような900番代のレアな編成というのは出辛いかもしれません。


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