吉野川に沿ってサイクリングし、山下清が絵を描いたという徳島県阿波市土成の土柱にやってきた。
別の惑星に迷い込んだような異様な光景である。
さて、2号線を山越えし、88番札所大窪寺の山門までやってくる。
本堂と奥には女体山。
ここの札所は愛想なしで有名。
満願成就御苦労さまでしたみたいなねぎらいの言葉をかけてくれることはない。
無言で300円だけ受け取り、納経してくれる。
遍路とは口をきくな、という修業をしているのかもしれない。
寺前の休憩所と売店。大きな食堂が向かい合って2軒あり、競い合っている風(笑)。
山を下ると、おへんろサロンがあった。
88番を前にして、マイストーリーを語り合う場所だ。
事務員はとても親切。温かくもてなしてくれる。
ママチャリにコンテナをくくりつけ、テントや寝袋、金剛杖など満載している。
中に持ち主らしい人がいたので話しかける。60前後でチェーンスモーカーの男性。
白いのが混じった髭がありきちんと手入れされている(カットされている)。
野宿主体で、1週間に1回は風呂に入りたいので民宿に泊まるという。今日はここで泊まるという。88番まで目と鼻の先の距離だけど…。
別格、番外などすべて回り2カ月かかったという。別格、番外が親切だという。ゆっくり住職と話もできたという。本堂にロハで泊めてくれたところもあったという。確かに88の札所との関わりは納経して300円払うという事務的なものだ。癒しとはほど遠い。それ以上の関わりを300円で期待するのがおかしいと言われればそうではあるが…。
彼は今回は2回目で、1回目は歩きへんろだったという。野営なので荷物がどんどん増えていき歩きでは無理と自転車に。
大阪からの人。
新しい建物。くつろげる場所である。ここにボーと座っていれば誰かが話しかけてくれたのかな(笑)。
87番、長尾寺。
山門。
ここのお寺は、納経所のカウンターの隣のスペースが茶店になっている。
どっちかが忙しくなれば、お互いに助け合えるような構造だ(笑)。
86番志度寺。でっかい麦わら草履が印象的。
立派な五重塔。
境内は大規模な工事中。浄化槽を埋めている?
本堂とその右に大師堂。
ちょっと変なのは境内に志度寺クリニック内科小児科の看板あり。有限会社の測量会社もある。あるいは幼稚園もあるし、老健施設まである。
あと産科があれば、境内で一生を終えることができる?(笑)
志度寺エンタープライズみたいな、俗世にまみれた場所ですね(笑)。
入り口の一等地を他のお寺に譲っている。
尾張では田を分けることを田分け(たわけ)というが、寺分けか?
諸行無常、栄枯盛衰を感じ取ることのできるお寺のよう。
志度駅で自転車を分解し、輪行袋に入れる。
抱えてプラットフォームに降りていくと菅笠に白衣の中高年のおへんろさんが。
88番から来たという。これから徳島へ行って1泊し、高野山にお参りするという。千葉からの遍路。普通は88番から山越えして徳島へ行く(私が今日自転車で来た経路を逆に行くのが一般的)。
前回は自転車で回ったという。
自転車より歩きの方がよっぽど面白いという。
話をしていると汽車(ジーゼル車)がやってきた。

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