学校の授業では時代区分として中世の後に近代と教えられたが、何を持ってこの2つが区別されるのかと言うところまでは教えてくれていない。
ヨーロッパでは中世は圧倒的な宗教支配の時代であり、ガリレオ・ガリレイが地動説を唱えて、それを宗教上の理由で否定されたりした時代。産業革命により囲い込み運動の結果、人々はそれまで縛られていた土地を離れて都会に集中し、工場労働者となって、それは職業を自由に選択できると言う事でもあるが、宗教や土地からの呪縛から解放されたと言うことで近代となる。
この時代変遷に当たって、その考え方に大きな影響を及ぼしたのがデカルトの近代合理主義である。科学的な考え方の基礎を作った人である(方法序説)。ニュートンとかメンデレーフとかアインシュタインなど科学者はすべてデカルトの近代合理主義の方法論の延長にある。
日本の場合は、中世と近代の境目は明治維新であるが、ヨーロッパと違って宗教的な色彩は薄いのではないかと思う。士農工商が廃止されて、人々が土地の呪縛から解き放たれて都会へ出てきて様々な職業につくようになった時代が境目だと思われる。
変動をやっていると、しばしば中世のしきたりに触れることができる。合理主義が行き着くところまで行ってしまったのが現代であり様々な矛盾やストレスが渦巻いているが、中世の不合理に親しむことで癒しを感じることもある。

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