10系・20系客車:寝台急行「天の川」
「天の川」は、上野〜秋田間を結ぶ寝台急行列車です。
昭和38年6月に上野〜新潟間の急行として誕生、昭和47年3月改正で寝台急行となります。
編成は10系寝台で構成され、 上野←ユ+ハネ+ロネ+ハネ+ハネ+ハネ+ハネ+ロネ+ハネ+ハネ+ハネ+ハネ→秋田 でした。郵便車及び秋田方の編成は新潟回転車となります。※新潟〜秋田間は逆編成となっています。
上野から秋田方面への夜行列車は多数設定されましたが、新潟〜白新線を経由する上野発の夜行列車としては唯一の存在でした。

昭和48年頃 蕨〜西川口間にて
10系寝台時代の急行「天の川」です。
当時、上越型のEF58が牽引する全車寝台の急行列車は、「天の川」の他に「北陸2号」がありましたが、「天の川」がA寝台を基本と付属に分割しているのに対し、「北陸2号」は2両連続で連結し、さらにグリーン車も連結していた点で容易に判別できます。
春闘の派手なスローガンも昭和の風景ですね。もしかしたら昭和49年3月頃なのかもしれません。

昭和52年 東北本線 蕨〜西川口間にて 20系化された急行「天の川」
昭和52年、10系寝台車の老朽化に伴う撤退と、寝台特急「ゆうづる」の14系・24系化による20系客車の捻出により、「天の川」は東北急行「新星」とともに20系化されました。
「新星」と「天の川」は全く編成が違うために共通運用にはなっていませんでしたが、組成替えによる車両の共通化は図られていたようです。ちなみに、写真の後から2両目に連結されているナハフ21改造のナハネフ21は急行「新星」に良く使用されていましたが、写真ではナハネフ21と22のダブル緩急車という一風変わった編成に組成されています。

昭和55年7月23日 南浦和〜蕨間にて
ブレちゃってどうしようもないような写真ですがご勘弁を。
20系になった「天の川」ですが、引き続き郵便車は連結されていました。郵便車以外の編成は固定とされ、10系時代のような分割は行われなくなっています。

昭和57年1月5日 上越線 水上駅構内にて EF58175牽引の20系「天の川」
この写真は、水上駅に初めて夜間撮影に行ったときのものです。
このときはギリギリEF58の運用が残っていたのですが、この後直ぐに撤退してしまったようです。
この場面の後に峠越えの補機が連結されるのですが、全てEF641000番代に置き換わってしまった後で、残念ながらEF16の姿を見ることは叶いませんでした。

昭和57年9月6日 上越線 水上駅にて EF641000番代重連 20系「天の川」
上の写真から半年ほどしか経過していないにも拘わらず、既にEF58の姿はなくなり、本務機も前補機もEF641000番代に変わってしまいました。
昭和57年11月、上越新幹線大宮暫定開業後も残った急行「天の川」でしたが、昭和60年3月、上越新幹線の上野開業により惜しまれつつも廃止されてしまいました。
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