時代の流れから取り残された場所のような郷愁を覚えるが、現代人の欲求や欲望から解放された、あるいは隔離された場所でもあるよう。
多くの人と交流があると、情報が流れ込んできて、自分も同じものが欲しいと言う欲求にさいなまれる。
そういう欲求からも隔離されている。
車やスマホ、タブレット端末?
あるいは正社員となれる会社への所属欲求?
それともマイホーム?
その前に彼女ないし彼?
など現代人の欲求はさまざま。
四国88箇所の納経帳を欲しがる人も。
若い時に、四國4県に勤めていたのでその気があれば納経帳を揃えられたのであるが、当時はその気がなかった。歳を重ね、年寄り同士で、そんな話で盛り上がり、冥土の通行手形に自分も欲しくなる。
現代社会は人が持っているものを欲しがる社会のよう。
その欲求のおかげで世界経済が成長している。
色即是空、空即是色といったところか。
人と同じものを持ったところで所詮、無である。
札所は回りたいという欲求や欲望を持った人にしか見えないし、欲求や欲望は何もないところから突然生まれるし、回り終えて満願成就したのに空を感じ て2周目に突入する人もいる。
ぽつんと一軒家は時代から取り残された人でもあり、色即是空を悟った人でもあるようだ。

1