あえて不便さの中に身を置き、しかもその不便さを楽しむところは遍路と似ている。
人と違うことを恐れる人や人と同じであることを好む人には無理だ。
われわれは社会の一員であって消費者ではないのであるが、頭の良い人が作り出した流行に踊らされている。
最近は特に競争原理と言うものが持ち出されているが、例えば民営化等と言うのは競争原理そのものであり、社会の改革を推進していると言う良い面もあるのであるが、その中で生きる人にとっては大変である。
競争的になると自己中心的になる。
自分の会社が勝てばいい、あるいは会社の中では自分の属する派閥が勝てばいい、あるいは派閥の中で自分が脚光浴びれば良いといった具合に自己中心的となる。
社会の一員としての自覚が薄れていく。
給料をもらうためあるいは自己実現のために仕事をしているという個人的な動機で仕事をしていたとしても、社会の側から見ればその仕事が必要であり、その仕事をやってくれる人が必要ということである。
ポツンと一軒家で自給自足に近い生活をすることは、社会との関係性を見直し、こだわりからの脱却という部分もあるのではないか。

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