恩山寺にて。
自転車を引きずって、弘法大師像の前まで上がってくると、境内では2人の職人が木々の手入れをしていた。
こっちに置いたらと話しかけてくれたので挨拶する。
焼山寺や大龍寺を自転車で登っている時に一体、日本中の道路で上り坂と下り坂はどっちが多いのだろうと思ってしまう。
もちろん答えは同数であるが。
1つの同じ坂を進む方向によって上り坂と呼んだり下り坂と呼んだりしているわけであるから、同数である。
社会的な出来事、あるいはもっと身の回りの出来事でもいいのであるが、きっとその人の進もうとしている方向によっていろいろなものの呼び方が異なってくるということなのだろう。
自転車遍路にとっては、フラットな道が1番なのであるが、ただ考えようによっては全くフラットな道がずっと続くと言うことになると、回りたいと言う気持ちが失せるのではないだろうか。
私自身もう引退の時期を迎えているわけであるが、これからなんにもない平坦な道を歩き続けるとなると精神的に耐えられるのかなぁと言う不安がある。1日何もなかった夜に一風呂浴びるよりも、何かやって一汗かいて入る風呂の方が気持ちが良いに決まっている。
そういうわけで遍路で一歩きした後、いや一走りした後に入る風呂はまた格別である。

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